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- この記事はアメリカの科学雑誌“Explore”に掲載されました。 |
■進歩する解毒へのノウハウ”ゲーリ・ゴードン 米国医師 |
医療現場における私のライフワークは重金属の解毒です。
子供でも大人でもキレーションによって体内の重金属濃度が低下すると、健康の改善が得られることが多く証明されています。
私は、微量元素の代謝について35年以上にわたって研究してきましたが、いつも新しい進展がありました。中には非常に大きな進展もあり、微量金属が皆の健康に与える有害な影響について、我々が分っていると考えていたことも全て一から評価し直さなくてはならない場合がありました。自閉症児の問題もその一例です。私の生涯にわたる専門分野の研究の後、エイミー・ヤスコ博士と共に取り組んだ仕事によって、私は今までとは全く異なる急進的な情報に気付かされたのです。そこで私は69歳になって世界の医療従事者を再教育することや、水銀中毒および鉛中毒のようなテーマについて教科書を書き換えることなどの手伝いをしなくてはいられない気持ちになったのです。
ヤスコ博士の研究のおかげで、我々の重金属に対する知識や重金属問題を診断、治療する方法などが全て不完全であったことを今では科学的に証明できます。ヤスコ博士の患者の中には、負荷検査で得られた低い数値の尿経路排泄重金属検査結果では、これ以上重金属の解毒を行っても従来の考え方からみると、時間と金の無駄だと思われる患者がいます。ヤスコ博士は献身的な患者の親のおかげで、重金属の負荷検査で結果が陰性であっても時にはそれが何の意味もないことが分っています。彼女は、RNAベースの金属解毒を行うと、それまでに積極的なキレーション治療を行ったにもかかわらず良い臨床効果が得られなかった子供から、多量の有害金属を除去できることを明らかにしています。DMSAまたはDMPS(しばしば、注射で投与)の療法ではほんのわずかな効果しか得られなかった場合でも、良い結果が現れます。
エイミー・ホームズ博士やステファニー・ケーブ博士、その他の博士は、水銀を含む重金属の毒性についてよく特徴を捉え、検証しています。水銀濃度が高い赤ちゃんが毎年60万人も生まれていることを、EPAがその声明で明らかにしているように、子供に高い重金属濃度が認められることは、今や世に広く知られています。私たちは電力用の石炭を燃焼させるだけで毎年600トン以上の水銀を大気中へ放出しているのですから、この水銀の源はどこにでも存在するのです。自閉症の子どもの場合、毛髪中の水銀濃度は通常それほど顕著ではありませんが(彼らは水銀を解毒する能力に欠陥があるようにみえます)、自閉症児たちは現在の地球上全ての人間と同様にたった400年前の全ての人間よりも有毒な重金属濃度が高いのです。鉛もまた今日の地球上のあらゆる場所でテストした人間の骨の濃度は、4世紀前に比べて平均1000倍も高いのです。鉛、水銀およびカドミウムの濃度はすべて、最適な健康と長寿のために推薦される濃度よりはるかに高いことが判明しています。私たちが今日各国の全年齢層で見るように、重金属が成人病の流行の一因となっています。
有害金属は一生にわたって私たちの体に蓄積されます -- 私たちが妊娠中の母親からもらう有害金属に始まり、次いでワクチン接種によって金属が接種され、その後も私たちは毎日食品・空気から金属を摂取したり吸い込んだりします。デヴィッド・スタインマン博士およびサミュエル・エプスタイン博士は、全身に毒性負荷を増やすような日々の暮らしの中での毒物について総合ガイドブックを策定しました。
多くの自閉症児に見られる症状は、重金属中毒と類似しています。複数の自閉症治療のプロトコールは、金属のキレーションおよび解毒を含んでいますが、このような治療法は自閉症の症状を逆転させる効果があることが分っています。私たちは、主要な重金属キレート剤として主としてEDTAを経口および座薬投与で使用することにしており、キレート剤の静脈内投与は可能な限り用いないことにしています。
私たちの本、"The Puzzle of Autism:Putting It AllTogether"、の中でヤスコ博士と私は、体内のウイルスによって隔離されている可能性がある金属を標的にした独自の解毒方法を含むプロトコールを紹介しています。私たちは、利用可能なキレート剤ではこのように“抱合された”金属を除去することが出来ないことを発見しました。そこで私たちは、体がこの慢性感染症に対処できるように、ユニークなRNAベースの経口投与法を開発しました。私たちは、この新しい方法によって有害金属の尿中および/または糞便中排泄の顕著な増加と、それに伴う臨床上の改善を認めることができました。このような結果から、ウイルスの慢性感染症により体内の有害金属が効率的に抱合されているために、キレート剤が有害金属を効果的に除去できないことが示されます。私たちは、我々以外の医療従事者達がDMPSの大量非経口投与を与え水銀はもはや問題ないと確信していた患者に対しても、このような効果を見てきています。以前に治療を受けたことがある患者でも、ウイルス負荷が低減するにつれ、水銀がかなり放出されることに我々は気付かされるのです。ウイルスおよび重金属の除去によって、私たちは、また患者の症状が劇的に改善することがわかります。
チメロサール(多くのワクチンに使用される水銀含有保存剤)は、体内でエチル水銀に分解され、放出されたエチル水銀は、毒性問題の原因になります。現在のところ、この分解過程が確実に完結されることを証明する十分な証拠はありません。ウイルスと金属との密接な関係を説明する1つの説は、チメロサールのエチル水銀への分解が一部分不完全なのかもしれないということです。これらの無傷のチメロサールはDNAやRNAの合成に必要な実際の構成要素を模倣する可能性があります。このような「チメロサールの構成要素」は、水銀の分子を含み、それによって水銀が核酸やDNAまたはRNAへ安定的に統合される条件を生み出している可能性があります。全てではなくても多くの自閉症の子供はMTHFrの変異を持ち、そのため適切な核酸の構成要素が欠如し、体が不自然な構成要素を使うためにさらに誘発が行われるのかもしれません。水銀と化合したヌクレオチドは、身体のDNAやRNAへ、あるいは体内のウイルスのDNAやRNAへ統合されます。このような事態が発生する場合、水銀が体内に安定的に抱合され、その除去が困難になる状況になることが予想されます。
DNAとRNAとの結合の代替物質として、水銀と化合した核酸塩基は、体内で様々な酵素と相互に作用し、これを不活性化する可能性があります。「核酸模倣体」として機能する時、水銀と化合したヌクレオチドはTS(チミジル酸シンセターゼ)酵素あるいはHGPRT(ヒポキサンチン・グアニン・ホスフォリボシルトランスフェラーゼ)酵素と相互作用する能力を持ちます。その場合、さらにメチル化およびプリン代謝の不均衡も起こるであろうと思われます。水銀と化合したヌクレオチドがTK(チミジンキナーゼ)と相互に作用すれば、ウイルスを傷つけずに、ホスト(人体)を傷つける可能性があります。(複数のヘルペスウイルスはTK遺伝子が欠如し、それ故に、人体が影響を受けやすい条件下では、TK酵素への影響に抵抗を持つことが明らかになっています)。
慢性のウイルス感染の結果として、重金属類の貯留が観察されることがあるという第三のメカニズムの場合、宿主のメタロチオネイン(MT)タンパク質が関与するかもしれません。ウイルスが宿主のメタロチオネイン(MT)タンパク質の合成を誘発することが明らかになっています。MTタンパク質は、水銀を含む重金属を解毒し、かつ体内の亜鉛および銅の均衡を保つ手助けをします。ウイルス感染によって、同ウイルスの指令を受けてMTタンパク質濃度の上昇が引き起こされることが実証されています。ウイルス感染に対する応答が引き金となりMTタンパク質は体内の重金属に結合することができるのです。しかしながら、細胞の信号に対する応答によって生成されるMTタンパク質とは異なり、これらのウイルスが引き起こすMTは、細胞内に金属を封鎖するように作用するかもしれません。ウイルスが寄生動物であることを思い出すことは重要です。この仲間は自由生活型の有機体ではありません。宿主(この場合は子供)を,免疫不全状態に保つことは、ウイルスが宿を持ち続けられることを意味するものであり、ウイルスにとって最大の利益です。もしウイルスが細胞内に重金属を閉じ込める手助けをするのであれば、それは、確かに宿主を免疫不全状態に保つのに役立つことでしょう。このようなMT蛋白質とウイルスおよび重金属との関係によって、ビル・ウォルシュ博士が述べているように、自閉症児では利用できる宿主MT蛋白質が欠如することが説明できるのかもしれません。もしウイルス感染によって宿主のMT合成機能が乗っ取られることになれば、宿主MT濃度の低下が見られるでしょう。
上に記載したシナリオのいずれか1つでも実際に起こるならば、それは重金属を自閉症児から除去することの難しさを明らかにするものです。体内から重金属を十分に除去するために慢性的なウイルスを除去することが必要です。実際にDMSA、DMPS、EDTA、グルタチオン、αリポ酸およびニンニクなど重金属のキレーションのために利用される作用物質は複数あります。これらの作用物質は各々が抗ウイルス力を持っています。ニンニクは抗ウイルス性、抗真菌性であり、また抗菌性栄養補給として知られています。グルタチオン は人体のウイルスに対する防御機構の中で最も重要なものの1つです。EDTAの文献にはEDTAが細胞からウイルスを誘発する例がいくつか記されています。単に水銀のキレート剤として広く認められているDMSAは、抗ウイルス活性、より具体的には抗レトロウイルス(麻疹および流行性耳下腺炎はレトロウイルス)活性を有すると説明されています。DMSAは一般には重金属をキレート化するため、および自閉症行動を示す子供を解毒するために用いられます。だが、DMSAは炎症性メディエーターTNFαを引き起こすことが明らかなので、DMSAを使用するときは注意深く行うこと、および炎症を有効に縮小あるいは抑制することができる作用物質を積極的に加えることが重要でしょう。 (我々は、炎症阻止効果を規則的に、簡便に遂行するために、小児全員の治療プログラムに加えられるRNAベースの経口液体製品を、全ての自閉症患者に与えていますが、それは彼らの食品に加えることができるからです)。DMPSは、またHIVに対する抗ウイルス活性を示すものとして、NIAID治療のデータベースに記載されています。DMSAとDMPSは共に潜在的な副作用を持っており、キレーションのプロトコールに精通している医師の下で注意して使用されるべきです。
これらのキレート剤は全て重金属をキレートすると同時に、金属を含む慢性ウイルスを体から引き出す作用があると思われます。自閉症児の親のほとんど全員がよく知っている「解毒発疹」の一部は、慢性ウイルスが体外へ除去される時に示すウイルス性発疹であるかもしれません。
ブルック博士等は、新たなウイルス感染源となっている体内のレトロウイルスの慢性貯蔵を除去する戦略を示しました。彼等の研究によって、潜在的にウイルスに感染した細胞が活性化すると、細胞が治療の影響を受けやすくなること、および感染した細胞の貯蔵がほとんど消耗されることが明らかにされました。そのような考え方を拡大させて、私たちは、ウイルスの潜在的な貯蔵の根絶を手助けするサプリメントを与え、生体を補助することができることが分ったのです。ウイルスを除去すると、我々は貯蔵された金属が体から放出されるのが分ります。慢性のウイルスおよび金属の両方の除去を促すために、サプリメントをこの段階で与えるのです。 |
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